市場に投入されてからまだ3年しか経っていない、欧米で人気沸騰中の品種です。　3〜6月にピンクの可愛らしい花を豪快に咲かせます。　花の観賞を楽しみながらイチゴの収穫が出来ます。　実はF1だけあって糖度は高く、香りが芳醇なのが特徴です。

葉の勢いが良く上に伸びるので、あんどん仕立てをオススメします。

和名：　トスカーナストロベリー
英名：　Toscana Strawberry
学名：　Fragaria ananassa 'Toscana'

原産国：　バンクーバー・カナダ
形態：　バラ科オランダイチゴ属、常緑多年草
種別：　F1
草丈：　25〜55cm
収穫：　7〜10月　＊関東の場合
収穫まで：　120日
受粉樹：　不要
用途：　果実、ジュース、アイスクリームなど
鉢植栽培：　可能(20cm以上の深さ)
pH：　5.5〜6.5
種蒔き：　10〜3月　＞　収穫翌年
発芽適温：　18〜23℃
発芽率：　72%
生育温度：　10〜25℃　
耐寒温度：　-5℃
耐暑温度：　34℃
株間：　35cm
連作障害：　あり
栽培難度：　Level 4

【栽培方法】
ランナー（もしくは苗）から始めると栽培難度は「Level 1」ですが、芽出しが難しいです。　栽培方法は一般的なイチゴと同じです。　特に支柱を準備しなくても、高く育ちますが、形を整えたい場合には「あんどん仕立て」の花支柱を使うことをオススメします。

■作業スケジュール
＊種から栽培する場合
10〜12月　　　　播種。
12月下旬　　　　寒い地域では防寒対策としてワラや寒冷紗などでで株を覆います。
3月上旬　　　　 防寒材料を取り除き、古葉や枯れ葉を取り、黒いポリフィルムでマルチング。
4月　　　　　　 開花してきます。
5月　　　　　　 開花後約1ヶ月で結実します。

＊ランナーから栽培する場合
10〜3月　　　　播種。　
4月　　　　　　苗を植え付けます。　この苗から実をとるのは困難。
5〜7月　　　　 古葉は害虫のすみかになるので取り除きましょう。　ランナー（つる）がどんどん伸びてきます。
7〜8月　　　　 ランナーを切り離し苗床またはポットに植え付け。　活着するまで日除け、こまめに潅水します。
8月下旬〜10月　苗を育てます。
10月　　　　　 苗を畑に植え付けます。　活着まで潅水します。
12月下旬　　　 寒い地域では防寒対策としてワラや寒冷紗などでで株を覆います。
3月上旬　　　　防寒材料を取り除き、古葉や枯れ葉を取り、黒いポリフィルムでマルチング。
4月　　　　　　開花してきます。
5月　　　　　　開花後約1ヶ月で結実します。

■土壌、環境
栽培する土壌は、排水性の良い土壌が良いです。　排水性の悪い土壌では、高めの畝に植えてください。　ホームセンターで売られている一般的な野菜の用土で問題ありません。

■種蒔き
寒さにも暑さにも強いので、種蒔きはいつでも可能です。　
1) 種を濡れたティッシュに包んで、10〜20日間冷蔵庫で冷やしてください。　低温要求は250〜300時間です。　寒さに当てないと発芽しません。
2) 覆土は5mm程度で播種して、発芽するまで明るい場所で管理してください。　好光性なので、日が当たらないと発芽しません。
3) 10〜20日程度で発芽します。　

■定植
本葉が5枚程度になったらポットに移植してください。　大きく育つので、株間は35cmが適切です。

通常の畑の場合、多少肥料分はあるので、元肥はなしでも大丈夫です。　定植直後はマルチをしないほうが根が地中深くまで伸びるので大粒の実を成らせる丈夫な苗に育ちます。　トスカーナは、鉢やプランターで花とフルーツを楽しむ品種なので、普通は畑に定植しません。

3号ポットでも実はつきますが、4〜6号ポットにしたほうが葉の勢いが良くなります。

■肥料
根が肥料焼けしやすいので元肥は少なめにしてください。　肥料の3要素（窒素・りん酸・カリウム）の中で、窒素成分が少なく、りん酸の多い肥料を使ってください。

■受粉
生殖成長と栄養成長があり、冬場の低温に十分当てなかったり、肥料が多すぎたりすると栄養成長になってしまい、花が咲かずに実が採れなくなります。　結実するためには、自然の風やミツバチによる受粉が必要です。　完全に室内で栽培する場合には、人工授粉が必須です。

■収穫
開花してから30〜40日で結実します。　実が赤くなってから収穫してください。

■増やし方
ランナーから株分けして増やしたほうが効率的です。 多年草ですので毎年実をつけますが、同じ株だと年々実は小さくなります。　毎年新しい苗を育てて植え替えることが大きな実をつけさせる上で大事なポイントです。　その時は必ず新しい畑に植え付けましょう。